一般財団法人 糧食研究会
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平成16年度一般公募研究の研究成果報告会を開催
2005年11月28日、東京都港区の品川プリンスホテル新館にて財団法人糧食研究会主催による特別講演・研究成果報告会を開催しました。

当研究会の研究成果報告会は、特定委託研究の報告がなされた6月以来となります。平成16年度の一般公募研究には23件の応募があり、そのうち選考委員会で選ばれた5件の研究について実り多い研究成果報告会となりました。
初めに、順天堂大学医学部公衆衛生学教室・丸井英二教授に特別講演 『食の安全・安心とリスクコミュニケーション』 をお願いしました。現在の日本においては食品が「安全」に提供されるだけでなく、消費者が「安心」できる環境が求められています。そのため食を取りまくすべての人々の接点となる食品表示の重要性が増していますが、丸井教授は食品表示が売り手や作り手と買い手の間のより良いコミュニケーションツールとなっていく必要があると述べられました。
 

丸井教授によると、そもそも体にとって食べ物は異物であり食べる行為にはリスクが伴います。そのため私たちは食べ物に関する知識や技術を伝承・共有化して文化を形成し、保存や加工の技術を培ってきました。しかし「外部依存の生活」が浸透することで責任も外部に転嫁するようになり、表示責任の問題が表面化してきました。また食物アレルギーの問題により、毒性のない「良い食品」であっても供給する側は「誰が食べるのか」まで考えなければならなくなりました。これは複雑な問題で食品表示に盛り込める情報量にも限界があるので、供給する側と消費する側の間で情報のキャッチボールが必要になってきているとのことです。

このように現在食品表示において最も強調されているのが、リスクに関して専門家などが行う客観的評価と消費者の主観的評価の間に生じるずれを小さくするためのリスクコミュニケーションです。一方的に情報を伝えるのではなく、関係者が情報を共有し双方向に意見を交換する必要があります。丸井教授はリスクコミュニケーションを図る上で、(1)同じ時代・同じ社会に暮らしていても異文化を背負う人々がいることを理解する、(2)同じテーブルについて心を開いて話を聞く、(3)押し付けないように自分の立場を説明し、立場と考え方に違いがあることを認める、(4)その上で調整可能な部分を見つけて妥当な方策を探る、ことが大切で一度でうまくいかなくても何度も繰り返していかなければならないと提言をされました。会場に集まった約90名の出席者にとっても研究者の立場で自分の行っていることを企業や行政、消費者にどのように伝えていくかを考えさせられる非常に有意義な講演内容となりました。


次に5件の演題が発表され、そのユニークな研究内容に活発な質疑応答が行われました。
来年度もより一層充実した一般公募研究・特定委託研究の研究成果報告会が開催できることを期待します。特別講演・研究成果報告会の発表内容は以下の通り。


[特別講演]
食の安全・安心とリスクコミュニケーション
順天堂大学医学部
教授 丸井 英二氏


[一般公募研究]
骨粗鬆症に対するプロピオン酸菌発酵物DHNAの骨代謝改善作用の基礎検討
岡山大学大学院
助手 福永 城司氏
乳脂肪球皮膜(MFGM)による骨密度増加促進効果
宇都宮大学
教授 東 徳洋氏
減圧噴霧乾燥法による食品機能成分維持・増強
筑波大学大学院
助教授 北村 豊氏
乳製品における乳酸菌と酵母の共生系のモデル化
- 酵母との共培養における乳酸菌によるケフィラン生産の場合 -
大阪大学大学院
教授 塩谷 捨明氏
市販の発酵乳や乳酸菌飲料に含まれるプロバイオティックスが 大腸内細菌生態系による炭水化物代謝にあたえる影響
石巻専修大学
教授 坂田 隆氏
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