2005年6月13日、東京都港区の品川プリンスホテル新館にて、財団法人糧食研究会主催による特別講演・研究成果報告会を開催しました。特別講演・研究成果報告会に先立ち、理事・評議員会も行われ、糧食研究会の事業が順調に進んでいることが確認されました。
毎年定期的に行っているこの報告会ですが、今年度は一回目の開催になります。今回の特別講演は、女子栄養大学の香川靖雄氏に演題「オーダーメイド栄養学」でお願いしました。現在までの医療や栄養学ではEBM(Evidence Based Medicine。根拠に基づいた医療。多数の人を調べた平均値で、診断治療、栄養所要量を定める)が重要視されてきましたが、実際の現場では個人個人に合わせた指導が求められるようになってきています。香川氏は分子生物学者の視点から、医療におけるEBM(Evidence Based Medicine 根拠に基づいた医療)と同様に「平均的に」ではなく、「個人差に合わせた」栄養学の必要性を訴えられました。
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栄養学における最大の課題“生活習慣病の予防”に関して、香川氏がすすめているのが4群点数法によるオーダーメイドの栄養指導です。これは、1群(乳、卵)、2群(魚、肉、豆)、3群(野菜、果物、芋)を毎日各3点(1点は80kal)摂取し、その上で4群(米、パン、油、砂糖)を活動量に応じた量だけ摂るというもので、女子栄養大学栄養クリニックでは長年に渡って4群点数法による栄養指導を行い、生活習慣病の予防に大きな効果を上げているそうです。
また、香川氏は、健康食品に関して市販後の長期間調査による効果判定や、遺伝子多型の情報を盛り込んでいくことが必要だと提言されました。会場には、特定保険用食品に関わる出席者も多かったため、質疑応答など非常に有意義な講演となりました。
次に、4件の研究について最新の研究成果が報告され、活発な意見交換が行われました。今回の特別講演・研究成果報告会が、今後さまざまなかたちで活用され、研究のさらなる発展に寄与することを願います。
特別講演・研究成果報告会の発表内容は以下の通り(敬称略)。
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