一般財団法人 糧食研究会
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平成23年度 一般公募研究 成果報告会を開催
2011年11月21日、港区の品川プリンスホテル・メインタワーにて財団法人糧食研究会主催の成果報告会が開催されました。
今回は、平成22年に実施された一般公募研究7件の研究成果が報告され、活発な質疑応答がなされました。なお、平成22年度の一般公募研究は63件の応募があり選考委員会で8件が採択されています。

また、研究成果の報告に加え、早稲田大学総合研究機構研究院教授 福岡秀興先生に、「胎生期栄養に起因するエピゲノム変化と生活習慣病(成人病)」と題する特別講演をお願いしました。講演の概略は以下の通りです。

 
[特別講演]
福岡 秀興 氏 胎生期栄養に起因するエピゲノム変化と生活習慣病(成人病)
早稲田大学総合研究機構研究院教授 福岡 秀興 氏

David Barkerの「成人病(生活習慣病)の素因は、受精時、胎芽期、胎児期、乳児期の低栄養または過栄養への曝露により形成される。この素因はその後も存続し、過量栄養、運動不足、過大なストレス曝露などのマイナスの生活習慣が負荷されると成人病が発症する。疾病はこの二段階を経て発症する。」という成人病(生活習慣病)胎児期発症起源説を紹介され、その素因の一つとしてとしてエピジェネティクスの偏移について述べられました。
実際、妊娠糖尿病の発症リスクを妊婦の出生体重でみると、低出生体重児群は対照群に比べ発症リスクが高いデータを紹介し、子宮内環境により遺伝子発現制御系(エピジェネティクス)の変化が起こり、高血圧・動脈硬化・糖尿病等の素因が作られる可能性があることを示されました。また、低出生体重児と学力に関する研究をはじめ栄養状態と認知機能の関連についてデータを紹介されました。さらに、エピゲノム制御のメカニズムの話では関与成分としてメチル基供与体である葉酸の役割についても言及されました。
そして日本人の栄養摂取状態については、低出生体重児の頻度が増加し、最近では9.65%にまで達していること、現在、男児の出生体重が3,000g以下となっていることなど、日本での栄養摂取状況が昭和20年代後半より悪くなっているデータを示されました。さらに、20代、30代の“やせ女性”が20-25%にも達しており、この状況は日本の次世代の健康が大きく障害されている可能性があり、妊娠前からの食育、妊娠中の栄養管理が極めて重要であると警鐘をならされました。


成果報告会の演題は以下の通りです。
[平成22年度一般公募研究]
伊東 宏晃 氏 低出生体重児における乳幼児期のcatch-up率と成人期の肥満、糖尿病発症リスクの関連を解析するマウス動物実験モデルの開発
浜松医科大学附属病院 周産母子センター 伊東 宏晃 氏
森田 達也 氏 フラクトオリゴ糖の摂取による炎症性腸疾患の再燃抑制効果に関する研究
静岡大学 農学部 森田 達也 氏
菅原 正義 氏 細胞培養実験と動物試験によるプロピオン酸菌のプロバイオティクス効果の検証
発表者 長岡工業高等専門学校 菅原 正義 氏
(代表研究者 新潟大学 工学部 谷口 正之 氏)
神戸 大朋 氏 乳製品中に含まれる亜鉛吸収促進因子の同定 − 亜鉛欠乏予防のための基盤研究 −
京都大学 大学院生命科学研究科 神戸 大朋 氏
唐木 晋一郎 氏 腸内細菌発酵産生物−短鎖脂肪酸−による大腸運動亢進作用および腸液/粘液分泌・内分泌作用に関する研究
静岡県立大学 大学院生活健康科学研究科 唐木 晋一郎 氏
金井 好克 氏 定量プロテオミクスによる消化管トランスポーターの網羅的解析法の確立とそれを用いたプロバイオティクスによる消化管トランスポーター発現変動の研究
大阪大学 大学院医学系研究科 金井 好克 氏
足立 はるよ 氏 食物アレルギー性小腸炎モデルマウスである卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞受容体遺伝子導入マウス(OVA23-3マウス)を用いた発症および寛容獲得機構における腸管粘膜免疫応答の解析
東京大学 大学院農学生命科学研究機構
食の安全研究センター 足立 はるよ 氏
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